先日、自ら引き起こした不祥事のせいで「謹慎」していたのが嘘みたいに、今まで通り平然と出社して、平然と仕事をこなしている自分自身に感心するというか呆れている……。日本の地方都市の製造業やサービス業は、ホントに人手不足が深刻なんだなぁ…とシミジミ思ったよ。
ウチの会社なんて数年前までは、非正規雇用の本人が正社員になりたいと希望しても、最低でも5年以上は無遅刻無欠勤を継続して、尚且つ直属の上司からの推薦状と、過去5年間の仕事ぶりが精査されたうえで、上司を交えて人事総務部のお偉いさんや工場長、そして社長による面接をクリアした選ばれし者だけが、非正規から正社員に登用されたもんだけど、ここ数年の急激な人手不足が理由で、最近は本人さえ望めば誰でも簡単に正社員登用してしまう会社になってしまった。
「正社員」になりたいと願っている「非正規労働者」にとっては、歓迎すべき話なんだろうけど、俺の目には明らかに正社員としては役不足……というか能力不足のポンコツ兄ちゃんたちが増えたように見える…。
上司がボンクラだと、部下(非正規)に色んな意味でシワ寄せが来るから困るんだよねぇ…。
正社員になりたくて正社員になれたんだから、素直に「おめでとう!」と声をかけるついでに、「お前はもう正社員なんだから、今までの100倍ぐらい気合い入れて頑張ってくんねぇと俺たちが困るんだよ…。分かるかい兄ちゃん? もっと現場で声を出して、リーダーシップを発揮して、みんなの先頭に立って引っ張っていってくんねぇと困るんだよ!」と、イチャモンをつけたくなる……じゃなくて、励ましたくなる。

謹慎期間中に退職の意思が固まったので、T部長にそれとなく仄めかしてみた……。返ってきた答えは…

「ハッハッハッハ……お前が辞めても誰も困らねぇから安心して辞めろよ! その代わり辞めるのは30年後だからな……ハッハッハッハ!」

という、ありがた涙に咽びたくなるような、まるで天皇陛下の有り難い御言葉を頂戴した時のような、パンツが小便で濡れてしまいそうな御言葉を頂戴した…。
あまりに感動して嬉しかったので、ブン殴ってやろうかと思ったんだけど、「ガンジー」とか「マザーテレサ」を崇拝する非暴力の平和主義者なので、苦虫を噛み潰したような曖昧な笑みを浮かべてお茶を濁した…。

ところで、仕事を続けるのも辞めるのも、本人の人生だから本人が勝手に決めればいいことなんだけど、仕事の辞め方をしくじると、その人のその後の人生に悪い意味で深刻な影響を及ぼすことは覚えておいた方がいいだろう…。
よく「仕事が辛いんなら辞めればいいじゃん……」と、軽いノリで無責任なアドバイスをする奴が多いけど、そういう奴のアドバイスは真に受けない方がいいだろう。例えば仕事中に歯が痛いんだけど、どうすればいいかな?」と相談したら、「仕事中にそんなに歯が痛いんなら仕事辞めればいいじゃん…」と答えるバカは、日本に3~4人しかいないだろう。普通は「歯医者に行けよ…」とアドバイスするはずだ。
「仕事が辛い……云々」という悩みや相談も似たようなもので、「仕事辞めればいいじゃん……」ではダメで、「とりあえず仕事休んで、病院(心療内科・精神科、メンタルクリニックなど)で診てもらったら…」というアドバイスの方が正確だし、親身になって相談に乗ってくれている証拠だと思う。
病院に行く暇がなかったり、病院自体が苦手な人でも、最近は精神科医やカウンセラーの人が書いた本が出版されているし、活字の本が苦手でも、「マンガ」という形式で出版される本も増えている。
いずれにせよ、「退職」というのは誰にとっても「人生の重大なイベント」なので、自分一人の独断で決めずに、医師やカウンセラーなどの専門家や、家族、信頼できる上司や同僚、友人などに相談したうえで慎重に判断した方がいいだろう。

大学や短大、専門学校などを卒業した後、普通に就職したんだけど、仕事の重圧や職場の人間関係に耐えられずに退職した後、前の職場のイヤな記憶が脳裏に焼きついて離れず、労働恐怖症就職恐怖症みたいになって、高齢ひきこもりスネップに陥ってしまう人が最近は多い……と、ジャーナリストの池上正樹が書いていた記事を思い出した。
「円満退職」という言葉もあるように、本人も雇用主も話し合ったうえで、両者が納得のいく形で「退職」という流れになれば、退職後、その人の就労意欲が回復すれば、すんなり再就職できるパターンが多いんだけど、前の職場から逃げるように辞めたとか、ケンカして辞めたとか、無断でバックレた…みたいな辞め方をした場合、本人の就労意欲が回復(社会復帰意欲が回復)しても、求人誌のページをめくったり、ハローワークに行くことすら恐怖を感じてしまう人も多いんじゃないかな。
俺も若い頃に6年間で11回も転職したんだけど、退職の仕方が前述したように悪くて、就労意欲が回復したのに、再就職するために面接の予約の電話をかけるのさえ恐ろしくなった。電話をかけようとしたり、求人誌のページを見ただけで、前の職場の嫌な記憶や、逃げるようにして退職した時の記憶、ケンカして退職した時の記憶がトラウマのように蘇ってきて、手が震えて声も震えて涙目になって……結局電話できずに、また「ひきこもり・ニート」に逆戻りしてしまうパターンが多かった。

これから俺みたいに退職(転職)しようと考えてる人は、仕事を辞める時の辞め方にも注意した方がいいだろう。「退職した後の生活」のためにも……。